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海外派遣メンバー・インタビュー
#06

Alexander Plopski 助教

奈良先端科学技術大学院大学

インタビュー 2018年2月19日

若き研究者、将来のビジョンをARの未来に重ね合わせる

数学少年が拡張現実(AR)の研究者に。応用範囲の広いARの課題に取り組み、社会に大きく役立てたいと願っている。

問いへの答えを見つけたい

数学が得意な子どもだった。難しいパズルのようで論理的なところに惹かれた。「問題に答えを見つけるのが好き」と、きっぱり語る。それが研究の道に進もうと思った最初の動機だった。数学はもちろん、チェスや囲碁(初段を取得)から水球やバレーボールまで、様々なことに打ち込んだ。これはと思うものに狙いを定めたら、集中的に取り組むタイプ。親から見て、どんな子どもだったのだろうか。「問題児ではなかったですよ」と冗談交じりに微笑む。「家にこもってコンピュータゲームばかりしていて、母に叱られたこともありましたが」。父親の影響で情報科学に出会う。高校卒業時、数学と情報科学どちらの道に進むか迷った。情報科学なら、その両方ができる。だから後者を選んだ。

日本へ

ミュンヘン工科大学(TUM)在学中、日本への関心から名古屋大学へ。日本ではホームステイも体験し、幅広い年齢層の友人を多く作った。その後、修士論文のために大阪大学へ。TUM卒業後に奨学金で大阪大学へ戻り、博士号を取得。その縁で、現在は奈良先端科学技術大学院大学にて助教を務める。日本での生活は6年に及び、日本語も流暢に話すようになった。

常に掘り下げてみる

今でも時折思い返す、幼少期の出来事がある。祖父の見舞いに訪れた病院で、少年を数学好きとみた男性が数学の問題を出してきた。こんなの楽勝、とばかりに得意げに解いてみせるが、問題に仕掛けられたトリックに見事引っ掛かっていた。物事には奥があり、常に少し掘り下げて考えることが大切だと思い知った。「もっとできることはないか」。研究者となった今、この思い出を戒めとして心に刻んでいる。

好奇心、協調性、勤勉さ

好奇心と幅広い経歴は研究者としての強みだ。モルドバ生まれのドイツ育ち。日本やアメリカでキャリアを積んできた。「自分は勤勉だと思いたい」と照れたように語る口調には謙虚さがにじむ。共同研究も得意で、これまで数多くのプロジェクトに携わってきた。行き詰まったときは周囲にアイデアを求め、思考の幅を広げて研究対象への理解を深めるよう心がけている。

研究者にとって大切な資質は、勤勉さと頭の柔らかさ、視野の広さ、チャレンジ精神だと語る。最も尊敬する科学者は、ホーキング博士。世間の常識にとらわれず、病気を言い訳にしない、不屈の精神に敬服している。

時代や世界を超えて

最近読んだ研究関係の本に、興味深い記述を見つけた。「多くのものは、何度も発明されなければならない」。実用化できずに忘れ去られた発明が、数十年後には実現可能になっているかもしれない。過去を振り返って前に進む方法を探すことも時には大事だという意味に理解している。SF小説やSF映画も好きだ。科学者とは異なる物の見方から学べることも多い。そのアイデアを現実の世界に生かせないかと考え、その方法を探る。

学生に伝えたいこと

学生に対しては、「海外へ行き、自分の目で見たものを持ち帰って自分の研究に生かす」よう勧めるほか、彼らの視野を広げるために自身の経験を伝えている。「学生が自らを成長させ、自力で研究できる力を身につけ、周囲にも教えることができるようになってほしい」。

ARで社会を変える

ARの応用可能な分野は、医療や運動支援からエンターテインメントまで幅広い。問題の解決策を見つけ、人々の暮らしを楽にすることに役立てたい、その願いが研究の原動力だ。「自分たちの研究成果を応用したものが、店や高齢者施設などで実際に使われているところを見られたら嬉しいですね」